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東京湾のゴミ処理はどうしているのか?

2013年の6月に『東京湾の水質が気になってます』というブログを書いてもうすぐ3年経とうとしていますが、やっぱり東京湾、特に東京湾奥と言われる海域の水質が気になります。

東京湾航空写真赤部東京

東京湾とは言うけれど、東京都が面している海域はだいたい赤く色付けしたあたりで、東京湾全体から見ればそれほど多くないのですね。それでも赤い部分の背後に位置する都市は広大で人口も多く(13,512,186人 2016年2月1日現在)、さらに奥は平野としては日本一の広さの関東平野になってます。

ということで、東京湾は臨海部と言われる地域からだけでなく、広大な地域から各河川を通じていろんなものが流れ込んで来て、日々けなげに受け入れ続けています。台風の後に河口域を訪れてみると、細かなゴミから流木やら、なぜこれがこんなとこに!? と思われるものまで流れ着きます。無生物ばかりではなく、ヘビなんかも流されて来て、護岸の組み石の間でチョロチョロ動き回っているのが見られます。

で、こんなことがあった後には、海上の浮遊物を回収するために『ベイクリン』さんが出動します。

ベイクリン
千葉港湾事務所様のサイトよりスクリーンショットで拝借

なかなか頼もしい風体でございます。これだけではなくて、港湾部の割と狭い区域では『清海丸』というのがご活躍されています。

清海丸
東京港埠頭株式会社様サイトよりスクリーンショットで拝借

これよりも小さな東京都港湾局だったか東京都建設局第一建設事務所の船がゴミを回収しているところをたびたび目にします。橋の下で釣りをしていて上からゴミの入った袋が投げ込まれるといったことがよくありますが、こうしたゴミの回収をしてくれていると思われます。

以下の画像のような清掃船ですね。これです。よく見ます。ご苦労様です。いつもありがとう!

清掃船3種
↑東京都建設局第一建設事務所様サイトpdfより拝借。元のpdfはこちら
東京都建設局第一建設事務所→河川の整備・維持

東京都建設局第一建設事務所様ですが、サイトを見るとここが護岸整備や海上のゴミの収集、浚渫などをやってくれているようです。下のフォトは自宅近所の『潮見分室』と言われる作業基地。時々このあたりでシーバス釣りさせてもらってます。自戒をこめてだけど、ルアーは引っかけないように! シーバスは護岸際に居るので船めがけて投げる必要なし!

潮見分室

回収物に関するグラフがあったので拝借させていただきます。

河川水面清掃ゴミ
↑https://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/ichiken/pdf/suimenseisou-kaishu.pdf

死魚って魚も死んで浮いてればゴミの一種ということで、このグラフ見ていると、水温が上がり始める5月ごろから夏にかけてものすごく死魚の量が増えるんですねぇ。水温上がるとプランクトンの活動が活発化して溶存酸素が消費されて貧酸素状態になって魚は死んで行くって流れでしょうか…。

釣り好き、サカナ好きとしては夏の間なんとかならんのか! と思います。自宅近所の運河でもGW過ぎたあたりで水色は赤褐色、チョコレート色になって、いわゆる赤潮状態に近くなるわけですが、そうなると底に棲むまだ小さいハゼの集団が水面であっぷあっぷ状態になったりすることがあります。

見てて気の毒なのですが、東京湾奥の埋め立て地を区切る無数の運河は水の循環もあまり活発ではなさそうで、いつまでたっても溶存酸素量の多い水と差し替えられないで、死魚が増えてしまうのだと思われます。

これはいくらゴミを始末しても水温とプランクトンとの関係などが原因だから仕方ないのかもしれませんが、ゴミと共に死魚も回収してもらわないと東京湾奥臨海部は見た目の悪さと不衛生状態でエラいことになるということですねぇ。自然に甲殻類やバクテリアが死魚を食いつくす…というのはとても追いつかない状態かと思われます。

またゴミと言えば、最近よく聞く言葉で『マイクロプラスチック』という目に見えないゴミの脅威が語られています。

マイクロプラスチック(英: microplastics)は、(生物物理学的)環境中に存在する微小なプラスチック粒子であり、特に海洋環境においてきわめて大きな問題になっている[1]。一部の海洋研究者は1mmよりも小さい顕微鏡サイズのすべてのプラスチック粒子[2]と定義しているが、現場での採取に一般に使用されるニューストンネットのメッシュサイズが333μm (0.333mm)であることを認識していながら[3]、5mmよりも小さい粒子と定義している研究者もいる[4]。しかし、マイクロプラスチックが野生生物と人間の健康に及ぼす影響は、科学的に十分に確立されていない。

ということですが、小さな生物の体内にマイクロプラスチックが溜まって、それを食べた大きな魚を今度は人が食べて人に蓄積されていく…みたいな連鎖を想像するわけですが、こうしたゴミというのはホントにどうやったら回収できるものやらと思います。

東京湾のゴミはこれまで書いて来たような行政の努力によって回収されて、かつてのような汚い海ではなくなりまして、魚もたくさんいて今年も荒川河口で期間限定の海水浴ができる予定になってるほどです。東京湾の目に見えるゴミってこうやって回収してくれているということを知っておいて、さらに水質はどうなっているのかを今度のブログで書いてみようと思います。

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