今日あたり、東京地方かなり暖かいのですがまた週末に気温は下がる予報。雨だの風だのとここんところ週末はレジャー産業にとっては憎らしい模様でありました。そんなときは、まぁ仕方ないと本など読んで過ごすわけですが、部屋の中よく見ると雑誌が前に比べて少なくなっておりました。
その昔(ってそんなに昔ではない)結構出版社からの仕事を引き受けておりまして雑誌のレイアウトをはじめ、写真集制作、ムック制作、本のカバーデザインなどあれやこれやとやらせていただいておりました。それが今ではホトンド出版社からの依頼もなくなり(干された!?汗…)、メインの仕事は教育機関、医療機関および一般企業からとなっております。
とは言え、元々本好きなわけで本や雑誌の売れ行きが落ちているとか聞くとなんとかならんものかと草葉の陰で勝手に心配しております。こんなデータを見るとため息が…。
総務省総合統計データ月報より拝借
印刷物を作るデザイナーという立場からの話になりますが、グラフィックデザイナーや広告デザイナーになるんだったら東京が一番チャンスに恵まれているところで、この優位性は今でもたぶん変わらないのでしょう。自分がデザイナーになった90年代初期は言わずと知れたまだバブル状態だったので、そのどさくさに紛れてデザイナーになったようなもんです。はい。
東京の方がチャンスが多いというのは、もちろんいろんな企業がひしめきあってるというのとやはり出版社が多いというのが大きいんだと思います。出版社が出す雑誌は、特に若手を鍛えるのに貢献してると思われます。一般に雑誌のページあたりのデザイン単価って安いからいわゆるエディトリアルはやりませんという向きも多々いた(いる)ことも事実。だけど雑誌という媒体がいろんなデザイナーに数ページづつ振り分けてデザインする機会を与えたことで、自分も含め喰わせてもらい力もつけさせていただいたわけです。
こうして見てみるとデザイナーだけでなくその雑誌を作り上げて行く他のスタッフ、イラストレーターや写真家、ライターといった職種の人々も多々お世話になってきた媒体であると思うのです。
んぢゃマンガはどうだ?と見てみますとこれも自分が小中学生のころから比べれば…。
もう紙媒体の時代ぢゃない!とかネットがあるから雑誌はいらないと簡単に済ませるわけには行きません(と思ってるんだが)。先に述べたデザイナーやその他制作絡みのスタッフが雑誌で育ったように、コンテンツを生み出す若手作家を掘り起こす役目もあるわけです。売れっ子作家達の連載である程度の売上げが確保できるという目論みの中で、数ページを受けるか受けないのかわからない作家にあてがって読者の反応を見るというようなことです。漫画家が世に出るまでの話だと例えば佐藤秀峰さんのお話とか面白いです。
単純にネットがあるから雑誌はいらないと言い切れないそういう事情もあるわけで、そもそもコンテンツがなければ雑誌もネットも成り立たない。メディアに乗っけるものを作る人が育ってもらわないと、昔のものリメイクしたり音楽も再結成やコンピレーションものばっかりに頼ることになり、やがて消耗して朽ち果てる…という悪循環。
まぁ、カルチャー的なものってお上が出て来て手出し口出ししても育つもんでもなく、放っておいても自然と出て来るもんは出てくるという部分あるにはあるだろけど、マネタイズが難しいネットの世界と紙媒体が売れにくい時代の中で、我々デザイナーもこれからどう動くべきかホント難しいと思う。